障害年金診断書の依頼と受け取りの注意点~見直しのポイント

2016年9月の新ガイドライン適用後に発達障害で障害基礎年金を申請し、2級が認められ、現在受給中。認定日請求も認められました。

社労士は使わず、ほとんど自分で申請をしました。

前回までは病歴・就労状況等申立書の表面までを終わらせました。

障害年金の病歴・就労状況等申立書の書き方~記入例あり
障害年金申請の中でも自分の気持ちを訴えられる「病歴・就労状況等申立書」。何から手を付けたらいいか分からない方は多いと思います。例文つきで分かりやすく解説します。

今回は、新規・更新の皆様が一番苦労すると思われる「診断書」についてです。

医師に頼みづらいし、「苦しんでいるのに症状が軽く書かれた!」、何度も病院を行き来して訂正をお願いすることになった!という方も多いと思います。僕もそのひとりです。

故意に症状を重く書いてもらったり嘘を書いてもらうことはできません。文書偽造に当たるからです。

自分の苦しみ(精神科の3分診療では分かってもらえないと感じている方も多いのでは?)・症状・診断書の書き方を正しく理解してもらった上で書いてもらうにはどうしたらいいか。

何度も病院を往復しないためにはどうしたらいいか。

僕が体験したことから、少しでも思い出して書いてみます。

あくまで障害【基礎】年金、成人後初診の場合の体験談となります。障害厚生(共済)年金、20歳前初診(20歳前傷病)の場合は少し申請の仕方が変わってきますので、注意が必要です。

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年金の診断書のフォーマット

障害年金申請用のフォーマットは以下からダウンロードできます。

(精神の障害用)参考精神の障害用の診断書を提出するとき | 日本年金機構

医師は年金の診断書について詳しくない

障害年金の診断書に医師自身が慣れていないことが多いです。実際、僕の主治医も「書き方うろ覚えだなぁ~」とボヤいやていました。(苦笑)

このことはしっかりと覚えておくと、覚悟ができて後から慌てません。

医師の診断書の書き方は手帳の診断書で分かることが多い

診断書、と言っても色々ありますが、一番年金の診断書に近いのが「精神保健福祉手帳(以下、障害者手帳)」用の診断書です。

そのため、年金の診断書を書いてもらう前に、主治医に障害者手帳の診断書を書いてもらった経験がある場合、その診断書のコピーを見直してみてください

おおむねどのように年金の診断書を書いていただけるかもわかります。

どれほど診断書が似通っているのか、障害年金の受給に大きく関わると示されている参考「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」を比較してみます。

診断書のフォーマットは各都道府県によって微妙に異なるのですが、今回は千葉県の診断書から。

 出典 『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について |厚生労働省(1)国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(平成28年7月15日年金局事業管理課長通知)

出典精神障害者保健福祉手帳 | 千葉県

【障害者手帳】

【障害年金】

「日常生活能力の判定」は一項目を除きほぼ同じ

以下の比較画像を見て分かる通り、障害者手帳の【(8)趣味・娯楽への関心/文化的社会的活動への参加】の項目以外ほぼ項目が一致していることが分かります。

「日常生活能力の程度」もあまり変わりはない

「日常生活能力の程度」は(1)~(5)までで○がつけられ、数字が大きいほど程度が重いということになります。

手帳と年金の診断書のこの部分を比べてみると、年金は記載が細かく、やや細分化されているように思いますが、あまり変わらないように思います。

スペック(別記事にて解説)

スペック(SPEC)については詳しく別記事で解説していますが、「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」を合わせて総合的に判断される指標です。

実際に新ガイドライン適用前に、新しい障害年金の等級の目安が公開されました。

障害年金の診断書のスペックとは?新ガイドラインでどう変わったのか
発達障害で現在障害基礎年金受給中の筆者が、ややこしい障害年金の診断書で受給を左右する「スペック」について分かりやすく解説します。

  出典 『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について |厚生労働省(1)国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(平成28年7月15日年金局事業管理課長通知,P5)

あくまでも目安です。その他に就労状況や同居人の有無、福祉サービスの利用状況、病歴・就労状況等申立書の内容等で総合的に判断されますのでご注意ください。

 手帳の診断書から自分のスペックを予想できる…かもしれません

以上のことから、手帳と年金の診断書を書く医師が同じであれば、自分のスペックがおおむね分かる目安にはなります

ただし、あくまで目安です。診断書のコピーを取っていない方は、難しいですがカルテ開示請求をする手もあります。(とても手続きが煩雑です)。

手帳を取っていない方は、いきなり年金の診断書に行くことになりますので、心づもりが必要です。

軽く書かれてしまうことが多い?

スペックは、公式に「受給に大きく関わる」とされているものです。

医師自身それを知らなかったり(公式がそれほど周知していないと思われるので当たり前といえば当たり前です、医師に責任はありません)。

「単身で生活した場合を想定して判定する」ということを知りません。

また、患者側もあまり大事に見られたくないという気持ちから、調子が良いようにふるまってしまったりしていて、自分が思っている以上に症状が軽く思われており、それが診断書にも反映されてしまう…ということが起こりがちです。

少し書類を追加しました

僕も認定日時点の精神科では、あまり「自分の状況を正しく分かってもらえていない」という気持ちがありました。

医師に遠慮していて、あまり自分のつらさを訴えてこなかったからです。そこで少しずつ準備していったのが以下の書類です。

  • 添え状
  • 病歴・就労状況等申立書のコピー
  • 受診状況等証明書のコピー
  • 自分の障害認定日時点の状況を書いたメモ(A41枚)

あまりがっつりとした書類を渡しても医師は手が付けられないですし、「クレクレ」だと思われて引かれてしまうのも嫌なので、これでも自分の気持ちを抑え気味に少なめにまとめました。

クレクレだと思われて医師との関係が気になってしょうがないという方は受診状況等証明書意外のコピー以外添付しないことをおすすめします

ここからしばらく余談です。(常々文書管理や診察に不満を感じていて転院していた病院でした。そのため、丁寧に資料は作成しなければなりませんでした。後述しますが5回も病院を訂正で往復したことも考えるとこれは間違いでは無かったと思っています。クレクレだと思われるならしょうがないですが。)

添え状(A41枚)

添え状は、はじまりと結びの文章のほかに、以下のことを書きました。(障害認定日の診断書をお願いする際のみ作成しました)

  • 障害年金の診断書であり、過去の時点(障害認定日時点、初診から1年6か月から以後3か月以内)、単身であることを想定しての状態を書いていただきたいこと
  • 初診日は受診状況等証明書を参照していただきたいこと
  • 添付している診断書は手書きでもPC打ち込みでもOKであること。(URLを書いておく)
  • 状況は当時、あまり言葉にできないことも多かった。今振り返ってみて続紙にまとめることができたので一読いただけると嬉しいです、ということ
  • 病歴・就労状況等申立書という生まれたときから現在を振り返った紙もありますが、参考程度に…ということ

受診状況等証明書のコピー

初診と認定日時点の病院が違ったので、添付しました。

診断書に初診日を記入してもらう欄があったので、証明に良いかなと思ったためです。初診→認定日時点の病院のときに紹介状があれば、必要ないかもしれません。

病歴・就労状況等申立書のコピー

これは添付するかは迷いましたが、当時診察で生まれたときから現在を振り返るなんてことは時間的にも精神的にも不可能でしたので、知ってもらうにはいい機会だと思って添付しました。

文章が膨大な資料なので、読んでもらおうとはあまり期待していませんでした。

A4のメモ

A41枚で、主にスペックに照らし合わせて当時の生活状況を振り返り書きました。

(1)食事は、毎日自分で作ることができず1日1食も食べなかったり、反対に過食をしてしまったりなどバラバラな食生活を送っていました。
(2)お風呂はほとんど入らず2、3日に1回の5分のシャワーで済ませていました。5日間は入れないこともありました。…

…という感じで(7)の社会性までを自分で振り返って書いてみました。

後から失敗したな…と思ったのですが、きちんとこのとき就労していなかったことも強調して書いておくべきでした。後から訂正が入ったので…

これをA41枚にまとめるのかなり自分の気持ちを抑え気味じゃないとつらいです。とは言え、2枚以上だと医師も読む時間が無いですし、アピールしすぎるのもどうかと思い、簡潔に留めました。

間違っても、「診断書は重く書いてください」とか「経済的につらいので…」などと書いてはいけません。あくまで事実を書くのみです。

文書偽造に抵触する可能性もあります。

添付書類と一緒に持っていくも、最初から疑われる

添付書類と一緒に、認定日時点で通っていた病院に診断書を持参し、病院の文書受付へ行きましたが、「診断書は医師とまず相談してください」とのこと。

「今は通院していないんです」というと「診察の必要が出てくるのでなおさらです」と言われてしましました。

この時点でチキンな僕は((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルだったのですが、医師の元へ行こうと精神科受付で相談すると、「なぜ今は転院しているのにここの病院での診断書が必要なのか」との説明を求められました。

もうここで帰りたい気持ちでいっぱいでしんどい。

なんとか気持ちを保ち、障害年金の認定日申請というものは、初診日から1年6か月時点(以降3か月以内)の通院先の診断書が必要であることを丁寧に(声が震えていたと思いますが)説明しました。

医師と受付の方の納得いかなさそうな表情…。

このときが一番つらかったです。なんとか書類を受け付けてもらえたのは、1時間後くらいだったでしょうか。3時間くらいに感じました。

振り返ってみると、このときは「なぜ僕がこんな目に遭わなければならないのか」という気持ちでいたたまれませんでしたが、障害年金の診断書の作成手順が精神科医に周知されていない以上、これは仕方のないことだと今は思っています。

診断書の訂正で数か月間で5回も病院を往復する

診断書はなんとか受け付けてもらえ、1か月くらい経ったときに診断書を取りに行きました。混雑している中、文書受付の方に「確認してください、氏名等間違いはないですよね?」と言われ、一応確認。

このときは流れに乗って「ハイ、マチガイナイデス」とまたチキン発揮で言うしかありませんでした。(後ろにも人が待っていたので…)

後から自宅に帰りゆっくり見直すと、まず、大事な個人情報の住所が書かれていませんでした。あと、就労状況もなぜか就労していたことになっていて、訂正したところも二重線のままで(訂正印がない)、【○○年〇〇月○○日現症】というところが思いきり診断書を請求した日になっていました…。

ここは、しっかり確認するようにしてください。

訂正のお願い→渡す→受け取る→(チキン発揮で自宅に帰る)→自宅で間違いを見つけるを5回くらい繰り返し、ようやくきちんとした診断書を数か月後に受け取ることができました。

診断書で確認するべきところ

診断書は医師が書くものです。患者本人で書き直したり訂正したりすることはできません。

ただし、明らかに間違っている(通院歴、就労状況など)場合はきちんと説明して、訂正してもらうことが必要になってきます。

特に注意して確認するべきところを振り返ってみます。

個人情報

名前に誤りがないか、誕生日など、基本情報、住所などが正しいかチェックです。初っ端から間違っていると、書類の正確性を疑われかねません。

1.障害の原因となった傷病名~5既往症まで

  1. 障害の原因となった傷病名ですが、ここが「不安神経症」や「~パーソナリティ障害」といった傷病名の場合、制度上障害年金の支給対象外となっています(例外:精神病態≒精神病的な症状を呈している場合は認められる場合があるようです)参考国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 | 日本年金機構
      
  2. 傷病の発生年月日:「受診状況等証明書」の「発病年月日」と合っているか(厳密に合わせたほうが良いという意見もあれば、医者それぞれの意見があるので合わせなくていいという意見があります、僕の場合は最初から合ってましたが…)
     
  3. 1.のため初めて医師の診療を受けた日:「受診状況等証明書」の「初診年月日」と合っていないと整合性が取れません。
     
  4. 既存障害:診断書を作成してもらう医療機関にかかるより前にかかっていた障害を書いてもらうことになっています。
     
  5. 既往症:診断書を作成してもらう医療機関にかかるより前にかかっていた疾患について書いてもらうことになっています。
     

9.これまでから現在~10.障害の状態

 9.(エ)の治療歴:障害認定日時点で診断書を取る場合には障害認定日時点の治療歴か
 
 10.赤文字の(平成○○年△月×日現症)というところが、障害認定日の診断書ならば、障害認定日から以後3か月以内の日付かどうか

裏面「現症時の就労状況」、福祉サービスの利用状況等

「現症時の就労状況」、「福祉サービスの利用状況等」、「現症時の日常生活能力及び労働能力」
→すべて「現症時」のことを記載する必要があります。認定日の診断書ならば、10.の赤文字で書いた現症の日付に遡って正しく書いてあるかチェックする必要があります。

医師の印鑑

医師の印鑑がきちんと捺されているかも最終チェックしてくださいね。

診断書を受け取ったら慌てずにその場でチェックがおすすめ

後ろに待っている人がいるからと、慌ててチェックを怠り自宅へ持ち帰ってしまい、何度も往復することになりました。

ぜひ診断書を受け取ったら少し離れた所ででもいいのでチェックをすることをおすすめします。

見直すところがたくさんありとても大変ですが、診断書は受給を一番左右する書類です。

見直し過ぎてもし過ぎることは無いと思って良いと思います。

スペックの計算も難しいですが、少しずつ覚えていきましょう。

自分で無理だと思ったら、支援者さんに助けを求めるのもアリです。

明らかに診断書の記載の時期がずれていて誤っていたなら話は違うのですが、求めていたスペックや診断書で書いてくれなかったからと、医師にごねるのだけは絶対にやめましょう。信頼関係が揺らぎます。

今回の記事はとても長くなってしまいましたが、少しでもこれから診断書を取る方のお役に立てれば幸いです。

診断書には受給を左右する大事な指標があります。

障害年金の診断書のスペックとは?新ガイドラインでどう変わったのか
発達障害で現在障害基礎年金受給中の筆者が、ややこしい障害年金の診断書で受給を左右する「スペック」について分かりやすく解説します。

診断書の見直しが終わったら、すぐに終わる「障害給付請求事由確認書」を済ませてしまいましょう。

障害年金申請書類~障害給付請求事由確認書とは?
発達障害で現在障害基礎年金受給中の筆者が、障害年金の申請のなかでも簡単だけど大事な書類、「障害給付請求事由確認書」について解説します。

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