障害年金審査東京一元化 – これまでとあまり変わらない!?

障害基礎年金を自分で申請し2級受給中です。

昨日、Twitterを見ていたら「障害年金の審査が東京に一元化」というニュースが目に入りました。

公的年金の支給実務を担う日本年金機構は、これまで各都道府県の出先機関で行っていた障害年金の支給・不支給判定を、4月1日から「障害地域によって判定に大きなばらつきがあったことから、一元化で改善を図りたい考え。ただ、障害者からは「厳しい水準でそろえられてしまうのではないか」との懸念も出ている。年金センター」(東京都新宿区)に一元化する。

引用 障害年金の支給判定、来月から一元化 | Sankei Biz

このニュースを見たとき、「えっ、もう4月1日からって決まったの?」というのが感想でした。

順次一元化していくということはすでに何となくではありますが知ってはいたのです。

ニュースについて探っていくと、一概に「4/1から障害年金の審査一元化」とは言えないことが分かりました。

これまで新ガイドラインを巡って公開された資料を辿りながら考えてみます。

情報に間違いが無いように努めますが、素人当事者目線で書かせていただきますので、何か間違いがありましたらご指摘いただけますと幸いです。

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一元化されるのは実質障害基礎年金のみ

ニュース本文の中では基礎・厚生・共済を含むすべての障害年金が「障害年金センター」に一元化されるかのように(取れるように)書かれてしまっていますが、これはちょっとした言葉足らずです。

なぜなら、障害”厚生”年金は従来から実質一元化して審査されているからです。

ですので、障害厚生年金の新規申請を考えられている方、更新を控えている方は、新ガイドラインに留意することを除けば、特に変更点はありません。

障害年金の診断書のスペックとは?新ガイドラインでどう変わったのか
発達障害で現在障害基礎年金受給中の筆者が、ややこしい障害年金の診断書で受給を左右する「スペック」について分かりやすく解説します。

障害厚生年金が集約して審査されていることを示す資料

【以下は制度の少し難しい話なので、読み飛ばしていただいても構いません】

新ガイドラインについて話し合いがされた「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(第8回)」での公開資料「参考(資料2)等級判定のガイドラインについてp10」では、新ガイドライン適用後の認定事務の流れについて詳細に図で説明がされています。下に小さく

注:障害厚生年金は事務センターを経由して機構本部に回送し、機構本部にて障害等級の認定を行う。(受付は年金事務所のみ)

引用 「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(第8回)」での公開資料(資料2)等級判定のガイドラインについてp10

となっています。

障害厚生年金はもともと、基礎のように各自治体のごとのブロックに置かれた認定医ではなく、日本年機構本部の「障害年金業務部」に置かれた21名の認定医が審査しています(平成26年4月1日時点参考社会保障審議会年金事業管理部会資料(第8回)【資料4-1】障害年金制度の運用に関する対応状況p2)。

障害基礎年金の”更新”は?

上の図の注に小さく書いてあるのですが

再認定は、事務センター等から診断書(障害状態確認届)を受給者へ送付し、受付後は新規請求と同様に障害等級の目安の確認、認定医による総合的な等級の認定、照会等を行う。決定後は、機構本部から審査結果について通知する。

引用 「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(第8回)」での公開資料(資料2)等級判定のガイドラインについてp10

再認定とは更新のことを指しています。診断書を障害年金センターから送付し、それ以降は新規請求と同等ということになるようです。

一元化は2016年10月からすでに始まっていた

細かい話なのですが、一元化はすでに2016年10月から始まっていました。

これは僕も知らなかったので、勉強不足でした。

参考日本年金機構再生プロジェクトの取組状況についてp8|日本年金機構 記載の資料によると、新ガイドライン適用から1か月後の2016年(平成28年)10月からすでに集約(一元化)は始まっていたようです。

障害年金センターに集約される(た)時期

上記の表をまとめると以下のようになりますが、平成29年4月~となっているので、4月からは順次集約し一元化していくのかもしれません。

障害年金センターに集約される(た)時期
時期地域
平成28年10月本部障害年金業務部、東京、長野、山梨、和歌山、山口
平成29年1月福島、岐阜、三重、香川、愛媛、徳島、高知
平成29年4月~全国

障害基礎年金は一元化でどう変わる?

障害基礎年金については、一元化により、さらに新ガイドラインの適用が強化されるでしょう。

約6倍あると公表されていた都道府県間の不支給率の格差はほとんどなくなるのではないでしょうか。希望的観測すぎるでしょうか。

言い方を変えれば、緩く見られていた都道府県では厳しめに、厳しめに見られていたところでは緩くなり、ひと口に不支給が増える、とは言えないのではないかと思います。

明文化された「日常生活及び就労に関する状況について(照会)」に注意

新ガイドライン施行前から審査が厳しい都道府県などでは、認定医が疑問点がある場合に裁量によって申請者に照会文書が来ることがあったようですが、今回の新ガイドラインで明文化されました。

参考『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について/3.請求者等の詳細な日常生活状況を把握するための照会文書の作成 / (4)日常生活及び就労に関する状況について(照会)

経験していないので何とも言えないのですが、この文書が来たら慌てずに対処する必要があります。

照会が来たら申請者の生活状況を良く知っている理解者に書いてもらう必要があります(つまり、自分では書けません)ので、申請前から探しておく必要があるかもしれません。

平成29年4月~新規障害基礎年金認定の流れまとめ

  • 平成29年4月から、(順次?)全国の障害基礎年金新規認定業務を「障害年金センター(東京)」に集約
     
  • 障害基礎年金の更新も障害年金センターから障害状態確認届が送られてくる以外は、新規認定と変わらない
     
  • 障害“厚生”年金は認定基準が新ガイドラインに沿う以外は今までと変わらない
     
  • 認定による確認の照会があった場合(点線の部分)は注意
     
  • もしもの時のために照会文書に記入してもらえる人を探しておくといいかも

意外にも「一元化」というだけでは当事者に影響は少なそうです。これからも新ガイドラインの動向を引き続き見守っていく必要がありそうです。

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